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介護施設・デイサービスのマネジメント④【人事評価の重要性】


小規模だからといった理由から、人事評価制度を導入していない介護施設・デイサービスが多く受けられます。


人事評価というと、それなりの規模を持つ企業を連想しがちですが、人事評価制度は、規模に関係なく、組織運営に不可欠な要素だと筆者は考えます。


ご高齢者に対し、スタッフが直接コミュニケーションを取って、サービスを提供する介護施設・デイサービスでは、特に重要となるでしょう。


 

人事評価が必要となる理由

 


以前、別のコラムでも解説しましたが、介護施設・デイサービスにとって、スタッフの定着率は非常に重要です。


なぜなら、スタッフが退職してしまうことで、様々なデメリットを施設が被ってしまうからです。


業務のしわ寄せで、他のスタッフに負担がかかってしまったり、辞めたスタッフと仲の良いスタッフがいれば、そのスタッフのモチベーション低下は免れないでしょう。

職場環境の悪化によるサービスの質の低下や連鎖的な退職にも繋がりかねません。


コスト面においても、少なくない負担を強いられることになります。

退職者の穴を埋めるため、新たな人材を確保する必要がありますが、人材採用には、それなりの時間と費用が掛かります。

また、新しい人材が雇用できたとしても、そのスタッフには、一から教育していかなければならず、そこでも新たなコストが発生します。


スタッフの定着率が施設にとっていかに大事か、ご理解いただけたでしょうか?


ここからが本題ですが、このスタッフの定着率を向上させるために『人事評価制度』が必要となるのです。だから、介護施設・デイサービスでも人事評価は重要になってくるというわけです。



 

人事評価で何故『スタッフの定着率』が上がるのか

 


当然のことですが、ほとんどの人は、正当な評価を受ける職場で働きたいと願っています。


どれだけ施設にとって有益な成果を上げても評価されない=賃金の変わらない職場で働きたいとは思いません。


だからといって、経営者が常にスタッフたちのそばで、彼らの仕事ぶりを観察し続けるのが、困難なこともあるでしょう。


そういった場合は、経営者に代わり、一緒に働く上司や同部門のリーダーなどに評価する場合が一般的ですが、直接の評価者が、経営者でもで上司やリーダーであっても、正当な評価を下すには、しっかりとした評価の軸が必要不可欠となります。

そして、その軸となるのが、事評価というわけです。


人事評価で正当な評価を行うことができれば、スタッフの定着率が向上するのは、当然の帰結と言えるでしょう。



 

施設の掲げる方針とスタッフの考え方や働き方が、一致しているかを評価する

 


では、実際にどんな評価項目を持って人事評価を行えばいいのでしょうか?


施設の注力しているサービスや特徴によって、評価基準は変化します。


リハビリに重きを置いている施設ならば、『マニュアルどおりにリハビリサービスを提供できているか』といった、施設の重視するポイントに関連するような評価指標を設けるべきです。


評価制度を作る際に、改めて、自施設の特長を再確認する必要があるでしょう。


上記に関しては、施設によって千差万別となる評価項目ですが、実は、どの施設でも共通し、必ず入れるべき評価項目があります。


それは、施設の掲げる方針=経営者の思想を正しく理解し、その方針に沿って働いているかどうかということ。


経営者の方針を正しく理解していないスタッフは、施設が望まない行動をとってしまいかねません。

このようなスタッフを放置してしまうと、従業員同士の交流などを通して、他のスタッフにズレた考え方が伝播してしまう恐れもあります。新しく入ってきたスタッフへの影響は、特に大きいでしょう。


スタッフたちに、施設の方針を理解しようという意欲を持ってもらうためには、その理解度と、理解によって伴う行動による成果を評価基準に組み込む必要があります。


会議や朝礼などで経営者が伝えるだけでは不十分。

例え、経営者の考えが理解できたとしても、評価に反映されないとなれば、施設にとって重要度の高い問題や課題に直面しても、日々の業務を優先して、後回しになってしまいがちです。


 

達成したか、未達成かで判断する

 


特に日本では、達成、未達成だけでなく、中間の評価基準(まぁまぁできた、少しできなかった等)が存在することが多いです。

あやふやな評価基準になりがちなので、これはあまりおすすめしません。

中間地点は作らず、基本的に、達成か未達成かを評価基準にしましょう。


ただし、未達成だった項目があるからといって、そのスタッフの全体評価を損ねるようなことは絶対にやめてください。

達成、未達成は、評価そのものではなく、あくまで評価『基準』、未達成という結果だけを見て判断するのは、安直です。

逆に、スタッフの定着率を下げてしまうことになってしまいます。


未達成となった項目は、なぜそうなったのかという理由を掘り下げてください。


明らかなスタッフの怠惰によるものであれば、評価を損ねる要素になり得ますが、他スタッフの退職や利用者の急増などといった外的要因が起因している可能性もあります。

そういった要因であれば、施設側は直ちに改善していかねばなりません。


人事評価は、スタッフ個人の評価だけでなく、スタッフから施設の改善点を得る機会を作れるという副次効果も備えているのです。


 

まとめ

 

繰り返しますが、スタッフの定着率が低下すると、採用活動費や新しいスタッフの教育や引継ぎといった負担が発生するため、介護施設・デイサービスにとってスタッフの定着率は非常に重要です。


スタッフの定着率を上げるためには、人事評価制度が必要となります。


人事評価制度を導入するにあたり最も大切なことは、スタッフが施設の示す方向性を理解し、それに沿って働いているかという点です。

これを軸に、細かい評価項目を練っていきましょう。


働くスタッフたちが納得できる正当な評価基準を作ることができれば、定着率の向上だけでなく、サービスの質が向上したり、施設の改善点が明確化されたりと、プラスとなる要素がたくさんあります。


人事評価制度を導入することで、より良い施設を目指しましょう。


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